
スタートの合図を待つ間に、決めていたはずの入り方が頭から消えている。試合再開の直前、ベンチで聞いたはずの指示が、何だったか思い出せない。出番を待つ袖で、何度も確認した順番が、立った瞬間に出てこない。種目は違っても、大事な場面で頭が真っ白になった経験に、心当たりはありませんか。
頭の中は、パソコンに似ている
アプリをいくつも開いたパソコンは、処理する量が限度を超えると、フリーズすることがあります。一つ一つのアプリに問題がなくても、全体を動かす余裕がなくなると画面が固まり、操作を受け付けなくなってしまいます。
頭の中にも、同じように、同時に考えたり判断したりできる量には限りがあります。決めていた段取り、次にやること、今気をつけること。普段は、それらを並行してこなせるので、その上限を意識することはほとんどありません。
緊張すると、見えないアプリが一つ増えることがある
大事な場面では、「ここで失敗したらどうしよう」「見られている」「負けられない」といった心配が、頭の中で勝手に動き出すことがあります。心理学には、緊張した場面で力を出しにくくなる理由の一つとして、こうした心配が、目の前のことを考えるための脳の働きを妨げてしまうという見方があります。
普段なら余裕で動かせる段取りも、心配という重いアプリが急に加わると、頭の中で扱える量を超えてしまう。こんなときは、まるでパソコンの画面がフリーズするように、頭の中が真っ白になることがあります。そう考えると、覚えていたことが本当になくなったのではなく、緊張や心配によって、必要な情報を思い出したり、判断したりすることが難しくなっていた、と捉えることもできます。
スポーツの場面では、こういう反応が起きるということを理解したうえで、なるべく早く自分のペースをどう取り戻すかを、本番に向けて事前に考えておくことが必要なのかもしれません。
まずは、大事な場面で自分がどんな状態になるか、体験セッションで一度整理してみませんか。