
練習では、あんなにスムーズにできていたのに、いざ試合になると実力を出し切れない。「自分は本番に弱いんだ」と、そのたびに感じていませんか。
けれど、これは性格の問題ではありません。練習と試合は、似ているようで、実はまったく違う環境です。その違いに目を向けないまま「本番に弱い」という一言で片付けてしまうと、本当の原因が見えなくなってしまいます。
環境の違い①:やり直せるかどうか
練習では、失敗しても、その場でもう一度やり直せます。うまくいかなかった一本は、次の一本で取り返せる。だからこそ、練習中は失敗そのものへの意識が薄く、身体は比較的自由に動きます。
一方、試合はその瞬間が一度きりです。今のプレーが、そのまま結果として残ってしまう。「やり直せない」という感覚は、無意識のうちに身体を固くし、練習で当たり前にできていた動きを、ぎこちなくさせることがあります。
環境の違い②:評価されているという意識
練習は、多くの場合、結果を評価されるための時間ではありません。けれど試合には、勝敗や記録という、はっきりした結果がついてまわります。しかも、それをチームメイトや相手、観客が見ています。
この「評価されている」という感覚が強くなるほど、意識は自分の動きそのものよりも、「どう見られているか」「失敗したらどう思われるか」という方向に引っ張られやすくなります。
環境の違い③:意識の向き先が「動き」から「結果」に変わること
練習中、意識は自然と「今、身体がどう動いているか」に向いています。ところが試合になると、意識の向き先が「勝てるか、負けるか」「成功するか、失敗するか」という結果そのものに移ってしまいがちです。
結果を気にしながら動こうとすると、普段は意識しなくてもできている動きまで、かえってぎこちなくなる。練習では自然にできていたことが、試合になると急にできなくなる背景には、この”意識の向き先の変化”が関わっていることがあります。
「本番でできない」のではなく、「本番という環境にまだ慣れていない」
つまり、練習でできているのに試合でできないのは、能力が足りないからでも、メンタルが弱いからでもありません。「やり直せない」「見られている」「結果に意識が向く」という、試合という環境の違いによって、身体や心の状態が変化しているのです。
だとすれば、必要なのは「本番に強くなる」という漠然とした精神論ではなく、試合という環境の中で、自分の意識がどこに向かいやすいのかを知り、その環境に少しずつ慣れていくことです。
自分がどんな環境で、どんなふうに崩れやすいのか。一度、誰かと一緒に整理してみたいと感じたら、体験セッションでお話ししませんか。